2018年4月16日 (月)

ウソから出たマコト――外省人一家の悲喜劇・「香蕉天堂(バナナ・パラダイス)」

松田康博(東京大学東洋文化研究所教授)

転載元:『日本台湾学会ニュースレター』第34号、「特集 銀幕の台湾」20184月、16-17頁。

http://jats.gr.jp/newsletter/newsletter034.pdf

 「香蕉天堂(バナナ・パラダイス)」これは台湾の外省人一家をめぐる「ウソから出たマコト」の物語である。

共産党との内戦に敗れ、「バナナが腹一杯食べられる」「天国」のような台湾に撤退することになった2人の山東人軍属。主人公の門栓は、無学で頼りない弱虫で、体格のよい兄貴分の得勝といつも行動を共にしていた。

2人は、一緒に台湾に撤退した後、軍の慰問劇団で飯炊きや裏方として働き、糊口をしのいでいた。ところが得勝は、冗談混じりに「共産党とは縁が深い」と口走ったことで、共産党の嫌疑を掛けられてしまい、拷問を受け、脱走するはめになる。1人になった門栓にも追っ手が迫り、逃げ惑う中、夫を病気で失い、赤子を抱えて途方に暮れるヒロイン、月香と出会う。

門栓は、ここで月香の亡夫・李麒麟になりすまし、仕事を転々と換えて流浪するはめになった。その途中で再会した得勝は、拷問の後遺症と望郷の念に苦しみ、ついには発狂してしまう。一方、学歴や身分の詐称に成功した門栓は、公務員になって役所に紛れ込む。そして、夫婦関係もなく、血もつながらない「家族」を養うため、習ったこともない英語を使って奮闘する。

時は流れ、台湾は1980年代を迎えた。門栓と月香の「一人息子」、李耀華も成長し、家庭を持った。中台関係が緩和し、中国大陸への里帰り訪問が解禁されたことで、耀華は、門栓がなりすました人物の父親(つまり自分の祖父)を探し出した。そして耀華は、なんと香港で祖父とこっそり対面を果たし、今から門栓に電話をかけてくるというのである。

さて、困った。門栓は自分がなりすました人物の父親と話をしなければならなくなったのだ。門栓は月香に尋ねる。「李麒麟の家の状況を教えてくれ。さもないと話が噛み合わない」。ところが、月香は動揺して何もしゃべらない。ついに月香の秘密が明かされる…。

この映画は、戦乱を乗り越えて台湾に渡った「外省人のあるあるネタ」が満載の作品である。偽装結婚、なりすまし、学歴詐称、公文書偽造、血のつながらない家族…多くの外省人が、生きるため、ウソで人生を塗り固めてきた。これらのウソが、愛情と同情をもって、そしてちょっと突き放されながら、淡々と描写されていく。

描かれる台湾社会は美しく、素朴で、苛烈である。下駄履きを纏足の代わりに演ずる劇団員、間の抜けた「ナカシ(流し)」、職場に潜むスパイ、美しい北京語の尋問、大陸反攻を叫ぶ軍隊、腐敗した警察、鬼気迫る迷信的祭祀、バナナ農家で働く逃亡外省人、望郷のあまり発狂する若者、過保護で過干渉な外省人家庭、能力もないのに威張り散らす公務員…。スクリーンには、既視感溢れる映像が次々と流れ、台湾人達の笑いと涙を誘う。

「国語」が下手な本省人と「台湾語」が下手な外省人。でもお互いに何とか距離を縮めて一緒に生きようとしている。バナナおばさん(香蕉嫂)は、発狂した得勝を抱きかかえ、その母を演じる。そして門栓もまた、自分がなりすました李麒麟の父親との会話にのめり込んでいく…。「

「香蕉天堂(バナナ・パラダイス)」とは、台湾海峡をまたぐ戦争と政治に人生を振り回された人々が、泣き笑いしながら生き抜き、ウソの家族関係をマコトの家族愛に転換していった人間ドラマなのである。

「こんなふうにして、一生が過ぎるなんて、思ってもみなかったわね(我没想到我們就這様過了一輩子)」という月香の一言は、外省人第一世代のみならず、激動の時代を生き抜いた台湾人達に共通する慨嘆なのではないだろうか。

筆者は、単著『台湾における一党独裁体制の成立』(慶應義塾大学出版会、2006年)で、蔣介石をはじめとする中国国民党の統治集団が、大陸での失敗を総括し、一党独裁体制を再建し、台湾で再出発を果たしたプロセスを分析した。この映画は、論文では決して書くことができなかった、台湾における外省人社会の実像を見事に描き切っている。筆者の論文なんかより、百倍面白くて分かり易い。

なぜこの映画をこれほどまで微に入り細に穿って観たのかというと、実は、1991年に日本の映画祭で初公開された際、この映画の日本語字幕作りに関わったからである。19859月から翌年2月まで淡江大学に留学した際、映画館やKTVでしょっちゅう観たのは、ほとんどが娯楽性の高い香港映画かハリウッド映画であった。大体が(結婚前の妻との)デートだったので、シリアスな作品はあまり観なかった。「国片」と呼ばれた台湾映画は、その後日本で行われた映画祭などで観たものがほとんどである。

お堅い政治史関係の文献ばかり読んでいた自分としては、妻との共同作業となった字幕作りは、戦後台湾の社会史をなめるように読み解く作業であった。台詞の一言一句、俳優の一挙一動、大地の一木一草に到るまで、「これはどういう意味なのか?」と問いながら、妻とともに解答を探しながら、繰り返し観た。純粋に楽しい作業だった。映画館で観たときは自分の作品のようにいとおしく思えた。

26年後の2017年、「香蕉天堂(バナナ・パラダイス)」は大阪で再度公開されることとなり、私達はふたたび、字幕の調整を依頼された。少し違う版だったからである。四半世紀前の誤訳をつぶしつつ、ずっと鮮明な映像で映画を堪能した。大学院生だったとき字幕翻訳した映画を、大学教員になってからもう一度見直すことができたのだ。普段は思い出すこともないのに、ほとんどの台詞が頭のどこかにへばりついていた。

このとき、ちょうど私は「台湾における中国国民党の社会調査―外来の独裁政権は現地社会をどう解釈したのか?―」(笹川裕史編『戦時秩序に巣喰う「声」―日中戦争・国共内戦・朝鮮戦争と中国社会―』創土社、2017年)という論文を書くため、1950年代の社会調査資料を大量に読んでいた。

当時非公開だった国民党の社会資料には、まさに「香蕉天堂(バナナ・パラダイス)」が描き出す社会の諸相がそのまま書かれていた。この映画はフィクションであり、真実そのものではないが、まさに真実を反映した外省人たちの集団的記憶だったのである。よい映画を二度も「熟読」することができて、私は幸運だった。資料も映画も、時間をおいて繰り返し咀嚼するべきなのだ。

「香蕉天堂(バナナ・パラダイス)」は、王童(ワン・トン)監督が1989年に製作した作品で、「無言の丘」、「村と爆弾」と併せ、いわゆる「台湾三部作」の一つに数えられている。ほぼ同時期に公開された「悲情城市」は、本省人の悲劇としての二・二八事件を扱った作品であったが、「

 

香蕉天堂(バナナ・パラダイス)は、外省人の悲劇を扱った作品である。多重移民社会である台湾を肌で感じるためにも、「悲情城市」と併せて観てもらいたい作品である。

★注記:本文は、冒頭に記した媒体から全文を転載したものである。転載を快諾していただいた同誌編集部にこの場を借りて感謝を申し上げたい。なお、特集名は「銀幕の台湾」であり、日本の台湾専門家たちの映画評が並んでいる。併せてお読みいただきたい。

 

2018年2月 4日 (日)

『広辞苑』第7版に関する『産経新聞』の取材に対するコメント全文

『広辞苑』第7版に関する『産経新聞』の取材に対するコメント(http://www.sankei.com/life/news/180126/lif1801260004-n1.html)ですが、おおむね以下のようなコメントを短くまとめてもらったものです。もともとFacebookの友人にシェアさせていただいたのですが、反響が大きかったため、ブログで公開することにしました。ご笑覧いただければ幸いです。

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『広辞苑』第7版(以下、『広辞苑』)の台湾に関する表記ですが、論理に一貫性を欠いていることに問題があると思います。たとえば、「中華人民共和国」の行政区画に「台湾省」を入れているのは、現在の中華人民共和国の立場そのままです(現在の中華民国の立場に立てば、台北市、新北市、桃園市、台中市、台南市、高雄市、台湾省が並立します)。しかし、「中華民国」の項目には、「49年に本土を離れて台湾に移った」とあります。これは中華人民共和国の立場ではなく、中華民国の立場であって、中華人民共和国の立場(中華民国は1949年に滅亡)は無視されています。

また、日本は1952年から72年に台湾にある中華民国と外交関係を有していたので、1949年以降も中華民国が台湾に存在したというのは、日本の立場でもあります。ただ、日本は、1972年の日中共同声明で、中華人民共和国が台湾をその領土の一部とする立場を「十分理解し、尊重」し、さらに「ポツダム宣言第8項に基づく立場を堅持する」(すなわち台湾を中華民国に返還する立場の堅持)としています。この立場は、国会で以下のように説明されています。

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共同声明におきまして中国側の立場を理解し尊重するということを認めたわけでございますが、日本国政府といたしましてはポツダム宣言の立場を堅持するということでございまして、その意味するところは、台湾の地域というものが中国政府に帰属するものであることを当然に認めたものではなく、日本政府といたしましてはそれに関しては何ら物を申すべき立場にないということでございます(第75回国会衆議院外務委員会議録・外務省条約局参事官伊達宗起1975.2.28)。
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つまり、日本は台湾地域が中国政府に帰属するものであることを当然に認めたわけではなく、何ら申すべき立場にない、というものであり、それ以上でもそれ以下でもありません。ただし、これを「厳密には認めていない」とか、「事実上認めた」と表現できないことはないと思います(中華人民共和国はもちろん「認めた」という解釈をとっていて、「事実上」ですらありませんから、これもまた中華人民共和国の立場ではありません)。問題は、この部分について、『広辞苑』があたかも学者か判事のように、中華人民共和国や日本の立場を超越した論断をしていることです。つまり、項目によって、あるときは中華人民共和国の立場、あるときは中華民国の立場、あるときは日本の立場、そしてあるときは異なる見解をもつ両者の立場を超越した論断があり、編集の方針に一貫性が見られません。

『広辞苑』編集部は、民族紛争や領土紛争などで、土地や人民の帰属に異論が存在している時に、どちらか一方の立場や主張を「正しい」とか「間違っていない」として掲載することを、一般的に避けていると思います。たとえば、「尖閣諸島」の項目では、日本の立場に加えて、「中国も領土権を主張している」と書かれていて、すなわち両論を併記しています。言い換えるなら、中華人民共和国の立場にのっとった行政区画では、「釣魚島」(尖閣諸島の中国名)を「中華人民共和国台湾省の一部である」(そして日本の立場は無視する)ことになりますが、『広辞苑』はそういう記述をしていません。このように異なる立場にも配慮した書き方こそがおそらく『広辞苑』の編集理念にのっとった記述のはずです。今回、中華人民共和国の行政区画について、中華人民共和国だけの主張に基づいて書かれたのは、自らの編集理念から外れているのではないでしょうか。

また、岩波書店のホームページでの説明(https://www.iwanami.co.jp/news/n22847.html)では、「日本を含む各国は「一つの中国」論に異を唱えず、中華人民共和国または中華民国のいずれかを正統な政府として国交を結んでいます」(下線は引用者)とありますが、これも間違いで、「唯一の合法政府」が正しいのです。すぐ下の段には正しい解説が載っていますが、同じ文章のなかに、正しい用語と間違った用語が混在していることから見ても、岩波書店が充分な専門知識を持たないままこの文章を作成したことが推測されます。

異なる立場を有する当事者が存在する問題を簡潔に解説するのは、大変難しい問題です。どちらか一方の主張だけを紹介すると、必ず別な立場からの批判や抗議が発生するからです。イスラエルの首都がどの都市であるかについて、イスラエルの立場のみを記述したら、どのような反応が国際社会から起きるか、簡単に想像がつくでしょう。それなのに、日本のすぐ隣りに位置する台湾の地位に関して、中華人民共和国の立場だけを記述すればどうなるかに思いが到らなかったとすると、それはアジアの一員としての日本社会における最も代表的な辞典として、やはり瑕疵なのではないでしょうか。台湾の地位について、誰からも抗議や批判が来ない表現の仕方は存在するのですから、それを書けばよかったのです。

岩波書店が、こうした難しい問題に対して充分な専門知識を持たずに『広辞苑』を執筆・編集し、表記上の瑕疵が発生してもそれを認めないという立場をホームページで宣言していることは、残念なことであると言えます(他の大部分の指摘に関しては修正を発表しています)。『広辞苑』後記には「日常的に読者の方々からいただくご指摘・ご教示は、改訂において欠かせない大切なものとなっている」とあります。『広辞苑』編集部は自らの編集理念にしたがい、虚心坦懐に「これでよかったのか、他によりよい表現方法はなかったのか」と自省した方がよいと思います。

2017年7月 8日 (土)

時間泥棒やめようね②該当者以外に同報メールを送るのはやめて!

もはや、メールの処理が追いつかない。この大量に来るメールを減らす方法はないのか?ちょっと原稿に没頭してメールを放置していたら、いつも破綻しているじゃないか!


しかも、(本物の迷惑メールなどではなく)同僚や仕事仲間からの「真面目かつ無駄な同報メール」の多いこと、多いこと。なかなかいちいち目くじらを立てるのも大人げないと思ってしまい、そのままスルーしている自分に嫌気が差してしまう。


このエッセイをご覧の皆様、どうか一人でも多くの方にご協力いただければ幸いです。こういう事例に遭ったら、このブログのURLを見せてあげて下さい。受け取る人のことを気にせず毎日大量に同報メールを送り続けているあなた、不愉快な思いをされたらお許し下さい。でも、ちょっと考えて工夫するだけで、お互い有意義な時間が生まれるのです。


私の職場は大学の文系研究所です。とくに国立大学の教員はいわゆる「科研費」に応募して、文部科学省系統の日本学術振興会から研究費を獲得することが当然視されています。私はここ数年科研費プロジェクトの代表者をしているので、関連メールが大量に送られてきます。


数年前のことです。事務方から、こういうメールが来ました。科研費代表者に加え、関係者20数名宛ての同報メールです。


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研究代表者各位

(中略) 

平成○○年度科研費の繰越を申請した方は、添付したマニュアルの該当箇所を読んで、必要な手続きを取って下さい。

(後略)

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「あ、俺は該当者じゃなかったっけ?」と思って、最初から最後まで読み返しました。面倒なので短くしていますが、挨拶から始まり、結構きちんとした文章の長文メールでした。そして添付ファイルのマニュアルは50ページ以上!あったのです。


「ちょっと待てよ!?」と思い立ち、私は、発信者に電話をかけました。


「もしもし、さきほどの科研費繰越の手続きに関するメール、読みましたけど、該当者は誰なんですか?」


    「松田先生と、○○先生のお二人だけです」


「マニュアルの該当箇所ってどこですか?」


    「23頁の下半分です」


さて、どうしよう。言うべきか言わざるべきか・・・。やっぱり言うことにしよう。


「○○さん、いつもサポートありがとうございます。でもですね、このメール、該当者だけに送ればいいんじゃないですか?というよりも、『松田先生、○○先生、科研費繰越で手続きが必要です。お二人は、このマニュアルの23頁の下半分だけを読んで、繰越関連の手続きをオンラインでしてください。不明な点があれば御指南しますから、お手すきのときにお立ち寄り下さい』というメールを出せばいいんじゃないですか?」


    「はあ、確かにそうかもしれませんね」


「それで足りるならそうした方がいいですよ。この長文メールを書くのに、あなたも時間がかったでしょう?我々も読むのに時間がかかるんです。該当者でなければ全く不要な情報なんですから、全員に送られたら、お互い時間の無駄じゃないですか?そういうメールが多いと、一日に何分もとられるんです。毎日のことですから、馬鹿にならないですよ」


    「なるほど」


「しかも、該当者が必要な情報は、この50ページ以上あるマニュアルのたった半ページ分なんでしょ?該当者2人には、そこだけが必要なんです。でもそのことが書いていないから、受け取った人はこのファイルをダウンロードして、探さなければならないでしょう?もちろん検索したりすればよいのかもしれませんけど。でもね、自分が検索したところだけが必要であるかどうかを確実に証明する方法は、全部読むことしかないんです。ですから、最初から『ここを見て下さい』と言われたらどれだけ助かるかわかりませんよ・・・」


    「おっしゃるとおりです。大変失礼いたしました・・・」


ああ、よかった。この人は見込みがある。分かってくれたのだ。でもそういう人に限って、すぐに異動してしまう。私のこうした行為は、たいていの場合「賽の河原の石積み」なのだ。しかも「この先生はクレーマーなのではないか?」とか「モンスターじゃないのか?」と思われないか、はらはらドキドキである。事務室で、私が要注意人物扱いされていたらどうしよう?メールで指摘するときなど、嫌われないよう妙に長文になって、これこそ無駄じゃないか!と思うときさえある。(だからブログに書き始めたのです・・・)


なぜ、こんな同僚や仕事仲間からの「真面目かつ無駄な同報メール」が横行するのだろうか?恐らく理由は2つ。1つ目は、そうして送る方が何も考えなくてよいから。とにかく右から左へと、次から次へと送れば間違いないのである。2つ目は、「それ、聞いてませんよ」と言われた時に、「それはすでにメールでお送りしています」といって自分の身を守る防御策になるから。


しかし、これを当たり前だと思うと、結局あなたは人間の処理能力を超えた大量のメールを他人に送りつけることになってしまう。受けた側は、結局「見ない、処理しない、返信しない」ということになるでしょう。だって来るメールを全部見ていたら仕事にならないから。結局締め切り破りが発生し、問題が悪化し、破綻が破綻を呼ぶ。やがて発信者は「重要な該当者だけ」にアプローチし始めることになる。最初からそうすればいいのに。二度手間、三度手間も甚だしい。こうして私達はお互い大量の時間を無駄にしているのです。


ごめんなさい。私には1日24時間しかありません。目も手も肩も腰も疲れています。受け取った人が一目で必要か不要か分かる同報メールを送ってくれませんか?同報メールには、必ず「誰が該当者であるか」を最初に書いてください。そして、「該当者以外の方は見なくて結構です」とはっきり書いてください。挨拶は要りません。そうだ、重要なところだけ★印を入れたり、赤字にしてくれるのもいいなあ。あなたの時間も、私の時間も大切なのです。塵も積もれば山となる。時間泥棒になるのはやめようね。(2017年7月7日)


2017年2月14日 (火)

時間泥棒やめようね①日程調整にExcelファイルを使うのはやめて!

私は、日程調整などで、「他人に書き込んでもらう文書にExcelの添付ファイルを使うのをやめよう」という国民運動をやっています。このエッセイをご覧の皆様、どうか一人でも多くの方にご協力いただければ幸いです。こういう事例に遭ったら、このブログのURLを見せてあげて下さい。日程調整にExcelを使っているあなた、不愉快な思いをされたらお許し下さい。ただ、あまりに時間をとられることが多いので、よほどの例外でない限り、数年前から拒否することにしました。


そう。ある会合の事務局からこういうメールを受けたことがきっかけです。

 

「みなさん、会合の日程調整です。ご都合のよい日時を添付したExcelファイルに全てお書き込みの上、ご返信ください。」


添付ファイルを開いてみると、そこには、なんと今後3ヶ月分の日時を埋めることのできるまっさらなExcelファイルがあったのです。週末も含め、朝から晩までです。頭に血が上り、一瞬でこういう言葉が浮かびました。


「これ、埋めるの時間かかるよな」

「なんで添付ファイルなんだ?隙間時間に見ているスマホでは対応できないから、PCに向かっている貴重な時間を使わなければならないじゃないか」

「そもそも主催者にも、座長にも不都合なタイムスポットは一切ないのか?ひょっとして、あの忙しい座長を含めて全員に今後3ヶ月の全ての日時を聞いているんじゃないのか?それじゃほとんどこの作業は無駄になるじゃないか。ばかばかしい。他の人の日程が出そろってから返信しようっと」


私はExcelファイルで調整メールが来たら、原則として返信を後回しにします。時間的余裕がないのと、心理的なハードルが高いからです。「この作業は大部分無駄になる」という確信がそうさせます。実はこういう対応をする人は少なくありません。私の国民運動は根無し草ではなく、少なからぬ人が賛同してくれているのです。


つまり、日程調整メールに添付ファイルをつけているあなた、それでは返信率が落ち、返信までの時間が長引きます。しかも、そんなファイルをExcel作っているあなたの時間も無駄です。これはまさに、お互いの時間を無駄にする仕事の典型なのです。


私は日程調整の際、いつもメールにべた打ちして返信を求めています。恰好はあまり良くないかもしれませんが、それがお互い一番楽だからです。たとえば下のように、自分が主催者の場合、自分の都合のよい日時だけを書き込み、それと合うものだけを全員に返信してもらうのです。


9月

4日(月):10:00-14:00

5日(火):13:00-18:00

7日(木):16:00-18:00

8日(金):終日


これなら、「主催者の不都合なスポットは省かれている。添付でなく、ベタだから返信しやすい」と一瞬で判断され、結果として非常に迅速に日程調整が完了します。満員電車の中からでも返信可能です。


Excelは情報処理に向いていて、表計算やグラフ作りには便利なソフトです。しかし、他人から送られてきたExcelファイルに、「これは数式を使った情報処理をするために、私に入力させようとしているな」と思わせるものに出会ったことはほとんどありません。しかも、Excelは、Wordよりも入力する手間がかかります。恐らく多くの人がExcelファイルで文書を作る最大の理由は、「見栄え」に過ぎません。


加えて、まず日程を絞ってから調整をかけることは、ダブルブッキングを防ぐ、という観点からも非常に重要です。さきほどの会合のように全員に投網をかけるように長期間のすべての空いているタイムスポットを提出させると、調整される側はダブルブッキングへの警戒や抑止ができなくなります。限定したタイムスポットを確保する、という動作であれば、私なら鉛筆で手帳に記号付けするなどして警戒態勢に入り、調整が終わり、確定すればよけいな部分を消すなどの対応がとれます。

 

しかし、上記のように全部提出させられると、自分が今空いているタイムスポットを全部手帳に書き込まなければなりません。結局そんな面倒なことはやらないのです。そうすると、空いていたはずのスポットにすぐ別な用事が入ってしまい、そのたびにこの調整者にいちいち報告しなければなりません。結局、そんなことはやりません。すると「すみません、昨日までははオーケーだったのですが、今日だめになりました」というダブルブッキングが発生します。そのたびに、全メンバーで再調整をすることになります。


こうやって考えると、なぜ添付ファイルで、しかもExcelファイルを使った日程調整がまかり通るかの原因が分かってきます。そうです。秘書がいる人がこういう習慣を放置しているのです。秘書なら、自分のボスの全ての日程を把握し、日程変更を逐一先方に伝えることも厭わないのです。そう。役所と大企業がこういう理不尽を増長させたのです。


ごめんなさい。私に秘書はいません。たぶん一生いないでしょう。そして多くの人に秘書はいません。日程調整に見栄えは不要です。日程が調整されればそれでいいんです。お願いです。日程調整にExcelの添付ファイルを使うのはやめて、メールにベタ打ちでやってください。あなたの時間も、私の時間も大切なのです。塵も積もれば山となる。時間泥棒になるのはやめようね。(2017年2月13日)

関連HPデータとして役立たない「神エクセル」問題に解決の兆し 河野太郎議員が文科省へ全廃を指示
http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1611/04/news107.html

2016年10月 9日 (日)

ブログの役割を変えます

これまでは、このブログをクリッピングに使っていましたが、その役割はここ2年でFacebookに移行しました。今後は、研究に関わることなら何でも書いていく、というように、ブログの役割を変えます。今のところ、資料の紹介、研究に関わるエッセイなどを想定しています。

2014年10月19日 (日)

北京APECで日中首脳会談への具体的な争点

日中改善に向け、日本側から情報が発信されている。ポイントは以下の通り。
首相が会談の際に(1)尖閣は日本固有の領土である(2)ただ、中国が独自の主張をしていることは承知している(3)時間をかけ対話による解決を目指す−−と表明することで、膠着(こうちゃく)状況を打開できないか打診している。しかし、共同声明などの文書には残さない方針。首相の靖国神社参拝では、首相が参拝しないと明言するのは無理だとして、首相が植民地支配や侵略を謝罪した「村山談話」の継承を改めて伝える案を検討している。ただ、中国側には戦後70年となる来年に首相が参拝するのではないかとの懸念があり、落としどころは見つかっていない。

尖閣問題:「時間かけ対話」…打開案、首相提示で調整

毎日新聞 2014年10月16日 07時50分(最終更新 10月16日 10時41分)

http://mainichi.jp/select/news/20141016k0000m010145000c.html

馬英九総統の香港支援発言に中国が厳しい批判

香港のオキュパイセントラル運動に対して、台湾の馬英九総統が2014年10月10日の双十節の演説で支援表明。台湾側は、北京APECでの馬習首脳会談が流れたため、中国に対してきびし目の発言ができるし、また「しっぺ返し」としてすべきであるとの判断に傾いたと推察される(ただし、こうした発言は台湾の一般民衆の感覚として当たり前。この程度の発言ができないのは普通ではないとみなされる)。これに対して、中国はまず「説三道四」というこれまでにない罵り言葉で批判。数日後には、記者会見で、その言葉を使わずにもう一度批判した。この間に、台湾への批判をレベルアップするのはよくないという判断に戻ったものと推察される。

国台办:反对马英九评论大陆政治体制及香港政改

2014-10-15 13:29:00

【环球网报道 记者李柏涛】对于马英九在10月10日的“双十”谈话中涉及对大陆政治体制的评论,以及明确表示支持香港非法“占中”活动的言论,国台办表示“坚决反对”。发言人范丽青呼吁,两岸选择了不同的政治发展道路,希望台湾方面尊重大陆13亿人民的选择和追求。她同时强调,有关香港政改问题,“台湾方面不应对此说三道四”。

  国务院台湾事务办公室15日举行例行新闻发布会,有大陆媒体提问,“日前马英九在‘双十’讲话中评论了大陆的政治体制,并且对香港一些人发起的‘占中’行动表示支持,请问发言人作何评论?”

  国台办发言人范丽青指出,10月10日当天,大陆方面已作出严正回应,对马英九讲话中有关大陆政治体制和香港政改的言论,表明了坚决反对的态度。

范丽青重申,两岸选择了不同的政治发展道路。台湾同胞对于社会制度和生活方式的选择,“我们予以尊重”。对于台湾政治发展道路对其自身社会政治稳定、经济发展带来什么影响,我们无意评论。“但希望台湾方面尊重大陆13亿人民的选择和追求”。

  有关香港政改,范丽青强调,全国人大常委会有关决定依据香港基本法,符合循序渐进发展适合香港实际情况的民主制度的原则,2017年实现香港特别行政区行政长官由普选产生是香港政制发展的一大步。“台湾方面不应对此说三道四”。近期香港出现的一些违法行为,严重干扰破坏了香港的社会秩序、经济发展和法治,已经引起越来越多香港民众的不满和反感。

  对于最近包括民进党等“台独”势力想借香港“占中”事件来诋毁大陆,鼓吹“今日香港,明日台湾”或者“今日台湾,明日香港”等论调,范丽青也指出,“台独”势力对香港发生的违法行为借题发挥、推波助澜,再次暴露了他们搞乱香港、破坏两岸关系发展的政治图谋。这种行径不得人心,也是不可能得逞的。

  香港媒体也在之前的评论文章中提到,大陆对马英九的言论及时表态,很有必要,“一可以警醒马英九以及马当局,不要口无遮拦,呈口舌之快。二不要自以为是,肆无忌惮触及两岸关系的最敏感问题”。

  文章中还指出,范丽青没有说错,长期以来,大陆方面坚守不向台湾内部事务、内部问题指手画脚的原则,这是有目共睹的。而台湾方面也是愿意这样做的。两岸关系的祥和是需要互相理解与互相不恶言相向的。这样的两岸默契,马英九不要带头打破为好。

http://taiwan.huanqiu.com/article/2014-10/5167377.html

回應馬英九「雙十節」講話 國台辦:台不應對港政改說三道四

2014/10/11

香港文匯報訊 針對有台灣媒體記者問,馬英九在10月10日「雙十節」的講話中呼籲大陸走向「民主憲政」,並對近期香港部分民眾的行動表示支持,大陸對此有何看法?國台辦發言人范麗青10日應詢表示:我們注意到了有關報道。兩岸選擇了不同的政治發展道路。台灣同胞對於社會制度和生活方式的選擇,我們予以尊重。

2017年普選是一大進步

對於台灣政治發展道路對其自身社會政治穩定、經濟發展帶來什麼影響,我們無意評論。但希望台灣方面尊重大陸13億人民的選擇和追求。關於香港政改,全國人大常委會有關決定依據香港基本法,符合循序漸進發展適合香港實際情況的民主制度的原則,2017年實現香港特區行政長官由普選產生是香港政制發展的一大進步。台灣方面不應對此說三道四。

近期香港出現的一些違法行為,嚴重干擾破壞了香港的社會秩序、經濟發展和法治,已引起越來越多香港民眾的不滿和反感。當前兩岸關係和平發展的局面與成果得來十分不易,應當倍加珍惜。兩岸雙方理應良性互動,相向而行,增進互信,多做有利於促進兩岸關係發展的事情,而不是相反。

http://paper.wenweipo.com/2014/10/11/TW1410110001.htm

福田元総理訪中に谷内正太郎国家安全保障局長が同席

福田氏は中国から招待を受け、安倍総理と調整の上、谷内氏とともに北京を訪問した、と見るのが妥当である。関係のスイッチのオン・オフする主導権は中国にある。この時点で、中国はかなり積極姿勢を見せたことになる。

谷内国家安保局長が同席=7月末の福田氏・習主席極秘会談

【北京時事】福田康夫元首相が7月末に訪中し、北京で習近平国家主席と極秘会談した際、谷内正太郎・国家安全保障局長(内閣特別顧問)が同席していたことが分かった。複数の日中関係筋が12日までに明らかにした。
(2014/10/12-08:35)
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201410%2F2014101200015&g=pol

『中国時報』、『旺報』が、日中関係改善の動きを好意的に報道

台湾における親中メディアの代表格『中国時報』、『旺報』が、日中関係改善の動きを好意的に報道。明確な報道指示が国務院台湾事務弁公室から下りていることが推測される。首脳会談実現のために、安倍総理は、国連総会での中国批判を控え、9月29日の所信表明演説では「日本と中国は、切っても切れない関係であり、中国の平和的な発展は、我が国にとって大きなチャンスです。地域の平和と繁栄に大きな責任を持つ、日中両国が、安定的な友好関係を築いていくために、首脳会談を早期に実現し、対話を通じて「戦略的互恵関係」を更に発展させていきたいと考えます」と言い切り、香港問題でも、米英より遅いタイミングでソフトな見解の表明にとどめた。APECでの首脳会談の開催自体は既定路線になりつつある。

旺報觀點-中日及早對話好過隔空交火

http://www.chinatimes.com/newspapers/20141009000882-260309

冰凍已久的中、日兩國關係加溫,讓APEC峰會舉行中日領袖會談燃起了希望,美國也抱以樂觀態度看待。事實上,在經歷釣魚台爭議、參拜靖國神社等風波後,若中、日雙方可以及早展開對話,總比一直隔空交火,利用媒體唇槍舌戰好。只是,見面不代表可以解決問題,雙方期待別太高。

安倍表示,中國開始對改善兩國關係表現出比以前更為積極的態度,兩國關係似乎獲得修補。然而從中方的立場來看,今年的APEC在北京舉辦,中國有地主優勢,若斷然拒絕中日領袖會面的可能,恐讓自己成為中日關係惡化的根源,背負國際罵名。

若能中日領袖會談順利在APEC展開,可以營造出中國「不計前嫌」的形象,在香港占中活動的國際壓力下,也能給人「樂意溝通」的觀感。只是中日元首就算真的見了面,也不意味所有問題都一筆勾銷,中日的隱患還繼續存在,特別是釣魚台問題,隨時都有可能使中日關係發生非常大的波動。

安倍示好 要與中建穩定良好關係

2014年10月09日 04:10

記者/綜合報導

日本首相安倍晉三8日在參議院預算委員會上表示,中、日兩國關係需要回到更為務實的關係上來,首先要與中國建立「穩定的良好關係」。安倍在9月曾向大陸國家主席習近平發出「建立兩國長期穩定關係」的呼籲,安倍說明,中國政府目前正在做出積極的回應。

安倍提到:「中國也開始對改善兩國關係表現出比以前更為積極的態度」,他並引述習近平在9月發表的談話:「中國政府和人民將一如既往致力於發展中日關係,願意在中日4個政治文件的基礎上推動中日關係長期穩定健康發展」等,佐證自己的觀察。

安倍說明,中、日首先需要建立「安定良好的關係」,這種關係就是需要不受個別事件影響的關係。他說,最近兩國相隔兩年恢復了海洋問題的對話,兩國的防衛部門也正在就重開建立海上緊急聯絡機制一事積極準備,因此,兩國在更為廣泛的範圍內展開協力和對話尤為重要。

關於11月APEC會議實現中日領袖會談,安倍表現強烈意願:「我希望改善日中關係」;關於重啟防止東海等海域發生不測事態的海上聯絡機制的磋商,安倍回應:「希望盡快進行必要的協商」。至於隨軍慰安婦等問題,安倍強調:「為讓對方充分理解我國之前的舉措和立場,將繼續加以說明」。

«APEC首脳会談に向けて日中首脳会談実現へ向けて調整開始との報道